【2025アドベントカレンダー企画】

Fossilized Wonders. 

石と化した古代の記憶たち


皆さんはじめまして!姫山伝にインカレ生としてお邪魔させていただいております、のーこんと申します。農学連の設立もここのお力添えがあってこそだったので、姫山伝さんには本当に感謝しております…


錦上京の感動

さて皆さん、この夏発売された東方Project最新作「東方錦上京」プレイしましたか?記念すべき20作品目ということで今までの異変を力に変える異変石システム、まさかのキャラのサプライズ、オールスター勢ぞろいのエンディングなど過去作の集大成ともいえる激アツ作品でしたね…。MicrosoftのせいでZUNペットがなくなったことで曲が印象に残らないという感想も見かけますが、個人的にはより儚さが増した感じが今作の雰囲気にマッチしてて好きです。特に1面道中、愛おしき塵の住処!基本東方の1面道中ってノリが軽いんですよ、まあ本筋とはそんなに関係ない場合が多いのでね。しかし今回は最初軽く少し寂しい感じかと思っていたら、なにかしらの決意を持って皆から忘れられた場所を疾走するかのようなメロディーが始まり、重大な冒険が始まることを予感させる曲調になっています………え、1面からそんなに覚悟決まっちゃっていいんですか!?!?いやさ、東方って正直なんかこう…あ、なんか幻想郷が変?たぶん異変かな?まあよく分からんけど適当に解決しますかー…みたいな、最初はどこか気だるい感じじゃない???それで敵を倒して本質が見えてくるたびにちょっとずつ自機たちが本気になっていくようなゲームじゃなかったっけ…。初っ端からこんな強い意志を感じる曲を流されたもんですから、自分はもう1面の時点でこの錦上京という作品に見事に引き込まれてしまったわけです。錦原曲については語りたいものがまだまだあるのですが、錦上京には発表された時点で個人的にお!ってなった激アツポイントが他にもありまして。

それが今作の副題「~Fossilized Wonders.」なんです。

え、どこが激アツかって?直訳してみましょう、「化石化した不思議」ですよ!もしかして今作は化石とか古生物をモチーフにした話だったりして…!?ってちょっと期待してた時期もありました(阿梨夜の翼の骨や肋骨のようなものは始祖鳥の化石をモチーフにしてるとのことであながち間違いではなかった)。小学生の頃は恐竜学者になるのが夢だったような古生物オタクの自分にとっては見過ごせないタイトルでしたね。

そういえばこれ書いてる途中に思ったのですが、絶滅した古生物たちは幻想郷の何処かで生きているんでしょうか?でも実体はもういないけど存在していたこと自体は今も認識されているし…いや、今人々が想像するかつての彼らは化石という断片的すぎる情報を基に妄想込みで復元されたものだし、「本当の彼ら」はやはり幻想郷にいるのか?あれ、でもそもそも「本当の彼ら」を人類が認識したことはないし忘れたも何もあるのか?????

自分の脳味噌のリソースじゃ処理できないと判断したので、一旦この話はやめましょう。という事で今回は、東方最新作錦上京の副題に絡めて石と化した古代の記憶たち、古生物の魅力について語っていきたいと思います!ここからは東方要素は薄くなるので、興味ある方だけ見ていってください。

なぜ彼らに惹きつけられるのか

 戦乱で焼け落ちた豪華絢爛な城、災害で埋もれたかつての古代都市…

今はないけど、確かにそこで栄えていたもの

皆さん一度はこういうのにロマンを感じたこと、ありますよね?

自分が古生物に惹かれる理由もまさにそれです。今自分が踏んでいるこの場所を、途方もないぐらい遡った過去には現代にはもういないユニークな生き物たちが歩いていたと思うと…。逆に考えると、この場所を未来にはこれまた想像もできないような面白い生き物が歩いているんですよね、いやああまりにも見たすぎる!早くタイムマシンの発明お願いしますよ。まあそんな訳で、自分はいないもの(フィクション)が好きなわけではなく、別の時間軸ではいたもの(ヒストリー)が好きなわけです。(こんなこと言ってますが普通にゴリゴリフィクションの怪獣映画とかめちゃんこ好きです。誰かモンスターバースについて語り合える方いらっしゃいませんか?)

幻想郷もかつては栄華を誇るもこの世から忘れられたものが集まる場所ですからね、古生物好きな自分が東方も好きになったのはそういう部分もあるかもしれません。

まあ単純にビジュアルに惹かれたってのもあります。特にカンブリア大爆発の時の無脊椎動物たちや中生代の恐竜たちは相当個性強いヤツらが集まってますからねえ。尻尾にハンマーがついてたり、体が装甲で覆われてたり、アーム付きハサミみたいな口を持ってたりもうゲームの世界なんですよ!進化ってのはほんとに予測不可能で面白いもんです。今回は、そんな様々な古生物の中から特に個性的なのを紹介していこうと思います。


アノマロカリス


 約5億年前のカンブリア紀、無脊椎動物が爆発的に進化した当時の生態系の頂点の座を掴んだのはアノマロカリス___ギリシャ語で「奇妙なエビ」を意味する言葉で呼ばれる生き物でした。牙のように見える巨大で鋭い2対の付属肢、体の両側に携える多数のヒレ、扇状の尾ひれ…もはやどこにエビ要素があるのか分かりませんが、奇怪ながらもどこか畏怖の感情を抱かせるその姿は古生物マニアの中ではかなりの人気を集めています。しかし、こいつの一番の強みは先ほど挙げたような不思議な形態ではありません。その一番の強みとは“目”を持っている事です。

ん、目?みんな普通に持ってるあれが一番の強み…?

まあ、これだけ聞くとそんな感想になると思います。しかし時はカンブリア紀、目なんて大層なものを持ってる生き物なんてまだほとんど存在せず、当時視覚が広がっているのはアノマロカリスの前だけだったのです…。他の生き物たちにとっては恐怖でしょうね、自分たちが持っていない感覚を武器に襲ってくるなんて。地球上最初の頂点捕食者と言われるだけあります…!


  メガネウラ



時代は少し新しくなり約3億年前の石炭紀、今の石炭の基となっている巨大シダの森林で覆われていたことで知られ特に虫にとっては全盛期とも言える時代でした。当時の彼らの凄いところは何と言ってもその大きさです。50cmのカゲロウ、70cmのトンボ、2mのヤスデ(←??????)…とまあこんな感じで、虫嫌いを徹底的に殺してくるナウシカの腐海みたいな生態系が広がっていたことが分かっています。その中でも70cmのトンボ、メガネウラは石炭紀の代表生物として描かれることも多く古代昆虫の中で最も人気があります。(70cmというとだいたいカラーコーンぐらい)大きくても体の構造はまだ原始的なためホバリングなどはできず、主に滑空で移動していたと考えられています。石炭紀はまだ翼竜も鳥もいませんからねえ、まだ空を知らない脊椎動物たちを見下ろしながら誰もいない開けた空中を飛び回るのはさぞかし気持ち良かったことでしょう…。しかし虫好きな自分としてはぜひとも巨大昆虫が跋扈してた石炭紀を体験してみたいものですね~。まあすぐ彼らの栄養になって終わりな気がしますが。

 ディメトロドン




 石炭紀のすぐ次のペルム紀、この時代に覇権を握ったのは我らが哺乳類の祖先__単弓類と呼ばれる生物たちでした。しかしまあ祖先といっても毛も生えてないし卵で生まれるので…見た目はほぼ爬虫類とあんま変わりませんね、はい。その中でもかなり個性が強いのがこのディメトロドンという種で、体高に比べて相当高い棘のついた帆を背中に持っています。帆を持つ古生物というとスピノサウルスが有名ですが、体に対する帆の大きさという意味ではこいつが一番じゃないでしょうか。ちなみにこの帆の用途に関しては体温調節など様々な説があるのですが、一番有力な説は求愛行動で見せびらかすのに使ってたというものですね。自分たちの遥か昔のおじいちゃんたちが背中の帆の大きさとかでマウントを取り合っていたかもしれない…と考えるとちょっとクスってきますよねえ(正確にはディメトロドン属は近縁というだけで直接哺乳類には繋がっていませんが)。しかしペルム紀に頂点捕食者を数多く輩出した我らの系統も、中生代には突然高度に進化したとある集団…そう、恐竜との生存競争に負け、しばらく昼の世界からは姿を消すことになるのです…。


 アルゼンチノサウルス




 恐竜!恐竜はいいぞ!!!!!!!!………失礼しました。自分の昔の夢が恐竜博士だったこともあり彼らについては語りたいことが山のようにあるのですが、今回はなるべく絞って2種類だけの紹介となります。

 恐竜には様々な魅力がありますが特に分かりやすいのはやはりそのスケールの大きさでしょう。今回紹介するアルゼンチノサウルスは恐竜の中でも今のところ最大級となっていて、そのスペックはなんと全長35メートル、体重80tと陸上生物としては規格外の大きさを誇ります。現在陸上で最大の動物であるアフリカゾウが6m7tほどなのでいかにこいつが巨大か分かりますね…!特に目を引くのは全長の3分の1どころか半分近くはあるであろう長い首で、体からだいぶ離れて頭がそびえたつ感じが少し神々しくて好きなんですよ。アルゼンチノサウルスは恐竜の中でも竜脚類という仲間に属しているのですが、この仲間は30m級は流石に少ないにしても10m,20m級の化石が大量に発見されていて地球上の歴史の中でも最も巨大化したグループといっても過言ではなく、恐竜のスケールの大きさをよく表しています。竜脚類の特徴としてはほとんどの種が異様に長い首を持っていることが挙げられ、ジュラシックシリーズでお馴染みのブラキオサウルスなどは有名ですかね?ちなみに自分が一番好きな恐竜であるアパトサウルスという種類も竜脚類に属しています。(ちょっとずんぐりしてて可愛いです。ご興味あればぜひ検索してみてください!)


 デイノケイルス



 古生物の化石というのはほとんどが風化による劣化・損傷が激しく全身骨格が綺麗さっぱり残ってることなどほぼあり得ないため頭がない、尾がないなど日常茶飯事であり、研究者たちはその足りない部分を補うために想像力を働かせてきました。そして特に研究者を長年悩ませた化石がこのデイノケイルスであり、1965年に発見された時はなんと前脚と鋭い鉤爪のついた三本の爪だけというあまりにも断片的すぎるものでした。まあ先ほど言及した通りそのような発見は至極当たり前のことなのですが、特筆すべきはその長さでありなんと前脚だけで2.4mもあったのです!竜脚類ならそのような大きさの前脚も全然あり得るのですが鋭い鉤爪というのは明らかに獣脚類(主に肉食恐竜がいるグループ)の特徴であり、獣脚類の仲間でそこまで大きな前脚を持っている種はいないため当時の学会を騒然とさせました。しかし大きな話題になったにも関わらず40年近く前脚以外のまとまった化石が発掘されなかったため長らく恐竜界の大きな謎となっていました。ただ時は経ち2000年代にはいくつか前脚以外の骨格が発掘され、ついに2014年に全身が復元されるようになりました。(この発掘には日本人の研究者もかなり関わっています)そしてその復元された姿とはチャームポイントである長い前脚に加えて11mという巨体に大きく張り出した背びれ、アヒルのようなくちばし状の口…という研究者たちの想像の遥か斜め上をいくヘンテコなものであり、再度学会に衝撃をもたらしました。ちなみに気になるその生態ですが、長い腕を振り回して他の恐竜を狩っていた…と思いきや、胃から胃石と思われる石や魚の骨が発見されたため主に植物や魚を食べる雑食性だったことが分かっています。いかにも殺傷能力高そうな危険な鋭く長い鉤爪を使って、葉っぱを手繰り寄せながらもしゃもしゃ食べていたと考えるとちょっと可愛いですね~。ちなみにこの恐竜の新復元図が発表されたのはちょうど自分が恐竜にハマり始めてから少し後のことで、元々持ってた図鑑と新しく買った図鑑とでデイノケイルスの図が大きく変わっていたりして説が移り変わる様子をリアルタイムで眺められたのが凄い面白かった記憶があります。解釈の転換期に立ち会えるというのはその道のマニアにとって相当高揚するものですからね…!

 

 さて、もはや要点もまとめず古生物について心向くままどんどん書き殴ってしまいましたが、少しでも彼らの魅力は伝わりましたでしょうか?文の途中でも言いましたが、彼らはこんなにユニークでカッコよくまるで空想な生き物のようでも確かにこの地球上に存在していた、という事実が最高なんですよね!僕は彼らを研究する夢を残念ながら諦めてしまいましたが、諦めずロマンを追い求め古生物学者として奮闘する皆さんには本当に敬意を表したいです。将来、どのような面白い古生物が見つかっていくんでしょうか…楽しみで仕方ありませんね!


挿入画像出典

https://paleontology.sakura.ne.jp/anomarokarisu

https://www.hij.airport.jp/special/dinosaur2020/cambrian/cambrian04.html

https://zetsumetsudoubutsu.com/dimetrodon.php

https://ja.wikipedia.org/wiki/アルゼンチノサウルス

https://www.1101.com/n/s/yoshitsugu_kobayashi/2019-08-01.html